言語造形からの贈り物15 ~な行(N)からわかること その5~
Nについて、シュタイナーは面白いことを言っています。
今日はその紹介をします。
Nは運命の音
言語造形とオイリュトミーは双子の芸術です。もちろん違うものですが、
共通のベースが大きいです。
例えばオイリュトミーでは12星座にはその存在を表す子音があり、それを稽古します。
Nは魚座の音で、足です。そして運命の音です。
シュタイナーのNの紹介
この音で人間は外の世界へ完全に溶けでていきます。
自分がしたことが運命になるのが外の世界です。そこへ移っていくのです。
人間はそこでは、魚が水の中にいるのと同様、モラルの要素の中に生きています。
魚が水の中を泳ぎながら、水とほとんど一つになるように、
人間も自分の運命とともにモラル的な外界を生きるのです。
そして人間は、モラルの要素の中で生きる時、自分自身に戻ってくる力もまた持つことができるのです。
ルドルフ・シュタイナー(小野恵美 訳)
では解説していきます。
Nがその人の何を表し、
Nの音を稽古することで、自分の運命を生きる力をもらえると
実感していただけると嬉しいです。
外の世界とは?
まず最初にとても面白いのが、外の世界の定義です。
普段私たちは内面とこの外の世界を生きていますが、
その定義です。
「外の世界は自分がしたことが運命になるところ」
これはNの音で言うと、ぐっと舌が上の歯列の根元の辺りを押すとき、
私たちは外の世界へでてきます。
動きで言うと、地面にぐっと体重を乗せていく時です。
外の世界をどう生きているのか?
「人間はそこでは、魚が水の中にいるのと同様、モラルの要素の中に生きています」
私たちは自分がしたことが運命になる世界を
水の中を魚が泳ぐように、生きている。
運命(カルマ)の考え方
①過去的側面
運命がある。カルマがある。過去世がある。
この考え方はもちろん個人差はありますが、
ヨーロッパの人に比べ、日本人には違和感があまりないようです。
過去にしたことが、今の自分の生きている状況を創った。
というような宿命的な考え方が一つで、
日本では、この感じ方が主流だと思います。
けれどもそれは運命(カルマ)の半分の側面です。
②未来的側面
ではほかの半分はどんな考え方かといいますと、
未来的なものです。
今していることが、未来の自分のカルマを創っている。
Nとの関係
Nは外界に出ていきますが、跳ねるのです。
跳ねて、自分に戻ってくる。跳ねる力こそ、Nです。
Nができない人には、跳ねる動きと共に稽古します。
モラルを生きるとき
「人間も自分の運命とともにモラル的な外界を生きるのです。
そして人間は、モラルの要素の中で生きる時、自分自身に戻ってくる力もまた持つことができるのです」
自分に戻り、自分の運命を自分で創る力。
それがNの音のこの部分に現れています。
モラルとは何か?と問うのは、個々の自由ですが、
運命が織り成される法則がある。そこに思いを馳せるとき、
Nは跳ねる力を得ることでき、自分に戻ります。
Nの音がねばねばしている人
実際に稽古をしていると、Nの音がねばねばしていて、
納豆のような感じの人が、10名いると1-2名いらっしゃいます。
世界、つまりほかの人に触れるとき、ベタっとくっつく感じです。
自分が自分の舌にしていることと、身振りの手のしていることは
同じですので、その人の身振りを拝見すると、手の動きも
歯切れが悪いです。
NとMの音の混合
他にも、気をつけないと、
いつのまにか「NNNNな」と言うはずが「MMMMな」となる方が多くいらっしゃいます。
日本の方に多いことばのつまずきの一つに
NとMの混合があります。
未来的な側面の欠如によるものではないかと思います。
自分のものとは言えない、社会にある目に見えない考え方が
音にも現れてくる。とても面白いですね。
音に現れるので、音を稽古していくこと、身につけていくことができます。
次回はNとMの混合について、お伝えします。
言語造形人間学について
言語造形人間学は小野恵美のオリジナルの造語です。
シュ タイナー夫妻の始めたこと ばの芸術、言語造形を20年間実践し、ことばの音(子音、母音)と身体や動き、意識との関係、人間の成長との関係などを研究してきました。お話を教えるこ と、オリジナルの言語造形練習文を個人レッスンで各自に適応することで、その確実さを確認してきました。言語造形人間学は、シュタイナーの言語造形の精神 が結実したものです。ヴォルテのレッスンは、言語造形人間学に基づいて行われます。またヴォルテの上級クラスでは、集中講義としてその理論の講義を受ける ことができます。
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