言語造形人間学 ことばの両極
今週は曇り空のお天気ですね。
今日はことばの両極についてお話したいと思います。
1 ことばは音
2 ことばは身振り
この二つの本質があります。
そして真逆と言っていいほど、異なるんです。
ことばは音の世界とは?
外国語の中にぽつんと一人いた事がある方は、
言語は音だということが身にしみてわかると思います。
外国語は聞き取ることさえできない音の羅列に聞こえます。
ひとつひとつの音を聞き分けられないほど、聞きなれない音です。
たとえば日本語で「本(ほん)」は英語では「book(ブック)」
ドイツ語では「Buch(ブッフ)」ハンガリー語では「könyv(コニュフ)」となります。
音が違えば、わからない、伝わらない。
原言語からの分離はこのこと!?
これがまさに聖書の中に出てくるバベルの塔。
人間たちが知恵を増し、天にも届きそうな塔を作り始めた。
だから神は人間の言葉が互いに伝わらないようにしたという聖書のお話です。
わたしはこれはじつは各国の言語ではなく、
一人一人の話しだと思っています。
というのも、ひとつの語の理解は人によって違うからです。
そんなわけで「ことばは音」の極においては
言葉は音がすべてで、音が違えば理解しあえません。
非常に区切られた面を持っています。
文法を含め、その音の連なりがどのようなルールでつながるのか、
そしてどんなリズムで、どんな長短で、発音されるのか、しっかり決まっていて、
それを学ばなければ、「ことばは通じない」そんな制限を持つ。
これが言葉の本質のひとつです。
ことばは身振りの世界とは?
そしてもうひとつ、言葉は身振り。
こちらは、まさに上で述べた本質の真逆なのです。
お母さんが道端でママ友と話をしていて、
子供たちが歩道でわらわら話している。
こんな光景はどこでも見かけます。外国でも見かけます。
車が通るとき、ママたちはおしゃべりしていたのに、
とつぜん「戻って!」「車!」などと大きな声を出します。
すると子供はピタッと止まる。
これは言語造形の言葉の身振りの基本形の1つで「効果的」と呼ばれる話し方です。
ドイツ語だと「Pass auf!(パスアウフ!)」で音は全然違うんですね。
でも身振りは一緒。
身振りが一緒だと、声がどんな風に空間を動くかが同じになります。
身振りが同じとは?
それってどういうことか、というと、音、文法、意味など超えて理解できるということなんです。
つまり、この情景を見れば、意味がわかる。
「あー、子供がはしゃいで、車道に出そうだから、危ない!って言ったんだな」
ほかにも去ろうとしている人に「待って!」と呼びかける。これも各言語違いますが
同じような例です。
一目瞭然なんです。こんな語はありませんが、一聴瞭然です。
とても鋭く、まっすぐ対象に飛んでいくように聞こえます。
言語造形ではこれを「ことばの身振り」と呼んでいます。
実際の身振りもあるけれど、音が空間で動いていきます。
この動きは全世界、全言語共通なんです。
この感覚があるから、ダンス芸術があるんだと思います。
人間が生きている限り、様々な身振りで、話すたびに踊っている。
だからことばと舞とは、とても関係がある。
ことばのオイリュトミーは「目に見えることば」と言われています。
身振りのことばは世界共通
ルールを知らなければ、通じ会えない。
それが音としてのことばの世界。
でもそこには素晴らしい言い回し、美しい音の世界が各言語にあります。
けれども人のことばを、身振りにまで還元して聴くと、それは世界共通なんです。
どちらかが強い
人はひとりひとり、このどちらかを強く持っているのです。
身振り重視の方
身振りのほうを重視している方は、音を軽視しがちです。
すると、思っていることと別の単語を言ったり、
その単語が前回と違う単語だったり、曖昧です。
特に事務的な要素が強いもの、打合せなどでは、誤解が多くなります。
でも、人が本当のところ何を思っているのか、を感じやすいといういい面があります。
音で形成される語を重視の方
正確さを重視してしまう。言葉を信じてしまう人は、「だって、○○って言ってたのに」と
前後の状況や機微を無視してしまいがちです。
たとえば「○○さん、苦手」「ママなんて大嫌い」とか言われて、
こういうことを言われるとついつい、そのまま受け取ってしんどくなります。
またよくあることなんですよね。
打合せでの単語の言い間違いなどに固執したり、
相手のミスに固執してしまいがちになります。
音の世界としての言葉に知性から入ると、どうしても頭脳がかなりスイッチ入ってしまうんです。
事務的な面では優秀かもしれませんが、まずピンチに陥るのがご自分の魂、ご自分の心です。
なぜなら魂こそ、舞うからです。
音の世界、身振りの世界へ入っていくひとつの方法
それが言語造形です。
身振り、そして音の世界に言語造形から入っていくと
ことばはまた違う顔を見せてくれます。
そんなことを来年5月からの新規講座ではご紹介していきたいと思っております。
ご自分はふだん、ことばのどちらの面がより強いでしょうか?
今週末はそんなことを感じていただけたら、と思います。
よい週末を!
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