羽化するためのことばのレッスン~言語造形人間学 01~
はじめに
みなさんはご自分の声はお好きですか?
今からもう20年近く前になります。日本でワークショップをするようになった頃のことです。
ワークショップ終わって、汗を拭いたり、荷物を片付けたり、みなさんが家路に着く準備をしていて、
ザワザワしていました。一人の受講者の方がそばにいらして、「ありがとうございました」とおっしゃいました。
それから少しもじもじして、こう続けました。
「わたし、自分の声が好きじゃないんです」
そう言うと、私を見ました。短い一言ですが、衝撃は大きいです。
なぜでしょうか?
声が好きでないということ
みなさんは、いい声というものがある。そんなイメージをお持ちですか?
実は、同じ声帯、同じ声の人でも、どう話すかによって、声のひびき、質は
全く変わってきます。
この方の言葉は、私には「わたし、自分が好きじゃないんです」の告白だったのでした。
レッスンの中で、何かがその方の琴線に触れて、言ってくれたのだとわかりました。
ザワザワした時間の中で、25歳に過ぎなかった私には、「ご自分のことが、お好きではないんですね」と
返事をすることができませんでした。
自分の声が好きじゃない。それは、自分が好きじゃないということ
それ以降も、何名かの方が、自分の声が好きじゃないとおっしゃっていました。
もじもじしていた、あの間。
好きではない。どなたもそのような表現でした。
嫌いとは言い切りません。でも好きではないのです。
そこには10代の頃からの自分との歴史が感じられます。
その頃からの自分のあり方を認められない。
狭間で
日常生活はきちんとなさっている方たちでした。
そんな自分と、本当はそうではないわかっている自分の間にいて、
困っている。リアルに生きている感覚がなくなっていく。
自分のことを、認められない。だから、自分が好きではない。自分の声が好きではない。
狭間にいるようです。
そう考えると、私も含め、現代人共通の悩みのように感じます。
「自分の声が好きじゃない」と告白してくれた人たちの周りにいる人は、
本人がそんな悩みがあるとは、たぶん知らないでしょう。
この点も現代の私たちの共通の悩みです。
今ならば
今ならば、こう答えます。
「ご自分のことが、好きじゃないんですね」
そしてこう続けます。
「ヴォルテでレッスンしていけば、変わっていきますよ。
もちろん言語造形のレッスンでなくてもいいんです。
何か好きなことを一つ、ずっと続けていけば、変わりますよ。
10年もすれば、自然と変わっています」
みなさんは、ご自分の声が好きですか? ご自分が、好きですか?
このシリーズでは、言語造形のレッスンからさまざまなことをご紹介していきます。
その最初にみなさんにこの問いを投げかけたいと思います。
みなさんは、ご自分がお好きですか?
ご自分の話し方、ご自分の声が好きですか?
言語造形人間学について
言語造形人間学は小野恵美のオリジナルの造語です。
シュ タイナー夫妻の始めたことばの芸術、言語造形を20年間実践し、ことばの音(子音、母音)と身体や動き、意識との関係、人間の成長との関係などを研究して きました。お話を教えること、オリジナルの言語造形練習文を個人レッスンで各自に適応することで、その確実さを確認してきました。言語造形人間学は、シュ タイナーの言語造形の精神が結実したものです。ヴォルテのレッスンは、言語造形人間学に基づいて行われます。またヴォルテの上級クラスでは、集中講義とし てその理論の講義を受けることができます。
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