言語造形からの贈り物16~な行(N)からわかること その6~
普段お話しているときは大丈夫でも、言語造形練習文を行うと、NとMを混同している方が多いです。
Mはそもそも一体になる音
Mはどんな音かいいますと、美味しいものを食べたとき、などに人が出しやすい音です。
「ん~おいしい」と書きますし、人によってNの方もいますが、音を聞くと「MMM、おいしい」。
あるいは納得したときに「ん~そうか」と書きますが、これも「MMM、そうか」という音だと
Mの音をイメージしやすくなります。
シュタイナーは「理解をもって浸透する音」とMを呼んでいます。
どういうことかと言いますと、対象(相手)と一体になる音なんです。
Mを聞くと
Mの音を聞くと、相手は一体になることを予測します。
無意識ではありますが、心地よい一体感、理解されての一体感を予感して聞いています。
Nはどんな音か?
WORTEでは調整の音と呼んでいます。
Nを聞くと、聞いている人はなにを予感しているのでしょうか?
Nの音を出すときの舌の動きを見てみましょう。
舌は上の歯列と口蓋の間あたりに触れ、ぐっと意識が入っていき、ぽんと跳ねます。
対象(相手)に近づきますが、跳ねるためにぐっと近づくんですね。
つまり聞いている人は、相手がいったんは近づいては来るけれど、
最後にはより離れることを予感しています。
NとMの音は、聞いている人にとっては、両方とも相手が近づいてきます、が、
大きな違いは音が出た時の、相手の距離感です。
Mでは相手が自分と一体になってくれている。
Nでは相手は自分に触れたあと、離れて立っている。
発音する側にとっては
Nは対象(相手)に近づいたあと、自分に戻ることができます。
相手を知ったあと、自分に戻ることで、調整が起きます。
Mの場合は、相手と一体になりたくて、Nよりもゆっくりのスピードで相手に近づいていき、
相手の中へ入っていく、あるいは相手と一体になっています。
混同が起きる、その意味
Mは調和の音、Nは調整の音です。
人間関係には、この両方が必要です。
人間関係、すなわち他者との関係と、自分との関係です。
混同が起きてしまうというのは、とても大きなことが起きています。
相手と一体になりたいのか、
それとも相手に触れてから、より深く自分に戻りたいのか、
わかっていない、ということになるからです。
聞き手にとっては、Nだと思っていると、
つまり相手が自分に近づいたあと離れてくれるのを予感していたのに、
実はMで、相手はぴったりとくっついている。
それもNは後でご紹介しますが、理解は理解でも拒絶する理解、
なので、しんどいですね。
人間関係で言うと、その人に近づいて一体になりたいのか、
それともその人に触れて、その人を目覚めさせるために触れるだけなのか、
わかっていないのに、相手に近づいていく。
それは聞き手からしてみると、どっちに転ぶかわからないので、
強い言い方になりますが、詐欺のようなものですね。
というのも、
Nのことをシュタイナーは「拒絶する理解」と呼んでいるのです。
拒絶と聞くと、みなさんはマイナスに感じるかもしれませんが、
私とあなたが違う、ということを理解しているので、
解放する力、目覚める力があります。
医師による触診の動きはNのノックとも言えます。
逆にMはお母さんや家族が痛いところに手を置いてくれる手当です。
これ、混同されたら、困りますよね。
触診なのに、くっついて離れてくれない。
お母さんに抱きしめてほしいのに、離れていく。
話し手がN「拒絶する理解」しようとしているのか
それともM「理解をもって浸透しようとしているのか」
そもそもわかっていないことになるのですから、詐欺ですよね(笑)
どうしたいのよ? 何がしたいんですか? という気持ちになります。
混同が起きる人の特徴
NとMの混同が起きる人を拝見していると
WORTEのレッスンであるお話では、お話と自分の区別がつかない傾向があります。
書いていないのに、書いてあると思い込んだり、かなり勝手に解釈してしまったり、
あるいは話し方そのものがベタついた感じがする話し方、身のこなしになりやすいです。
また聞き手にとっては、NとMの混同を起こす話し手は
自分と他者との区別がつきづらい体質のため、あまり印象がよくありません。
対処方法
MとNの音を丁寧にレッスンすることで、なくなっていきます。
調和と調整の力により、ご自分との関係も整理され、ご家族、ご友人との関係が
すっきりしてくるようです。
そもそもM、Nの混合は日本語を母語とする方にはとても多いです。
人間関係を形成する調和と調整の二大勢力と言えますので、
M,Nをきちんと学ぶことはとても大切です。
言語造形人間学について
言語造形人間学は小野恵美のオリジナルの造語です。
シュ タイナー夫妻の始めたこと ばの芸術、言語造形を20年間実践し、ことばの音(子音、母音)と身体や動き、意識との関係、人間の成長との関係などを研究してきました。お話を教えるこ と、オリジナルの言語造形練習文を個人レッスンで各自に適応することで、その確実さを確認してきました。言語造形人間学は、シュタイナーの言語造形の精神 が結実したものです。ヴォルテのレッスンは、言語造形人間学に基づいて行われます。またヴォルテの上級クラスでは、集中講義としてその理論の講義を受ける ことができます。
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