お昼休み、同じテーブルについたとたん、
何か話さなきゃ、と体が固くなる。
用件のある話ならできるのに、雑談になると言葉が出てこない。
「私って、つまらない人間なのかな」
そう感じたことのある方も、いらっしゃると思います。
雑談が苦手な人は、どこで、何に困っているのか。
全国の30〜60代の女性300人にうかがいました。
この記事について
いつも読んでくださっている方へ。
これまでとは少し違う形の記事をお届けしています。
ことばや人との関わりに悩みながら、
相談先がわからずにいる方に届くよう、
アンケートに基づいた記事をご用意しています。
この記事は、調査をもとに、
スタッフがまとめたものです。
実際にヴォルテに寄せられたお声ではありません。
わたし自身の言葉は、これまでどおりメルマガでお届けしています。
いちばん苦手なのは、職場の休憩時間
まず、雑談が苦手だといちばん強く感じる場面から。
Q. 雑談が苦手だと、いちばん強く感じる場面は?(n=300/単一回答)
「職場の休憩時間やランチ」が63.3%。
「初対面の人や取引先との会話」13.7%を、大きく上回りました。
「ママ友・ご近所づきあい」は5.0%、「親戚の集まり」は4.0%。
雑談の悩みは、家の外、それも職場に集まっていました。
初対面なら、名前や出身を聞けばいい。
話すことが、ある程度決まっています。
毎日顔を合わせる人とのランチには、それがないんですよね。
用件もない。逃げ場もない。
そのうえ、時間だけはしっかりある。
しかも職場の人とは、明日も明後日も会います。
今日うまく話せなかったことが、
明日の気の重さにつながる。
一回きりの初対面より、
続いていく関係のほうが、
ずっと緊張するんですよね。
気になっているのは、話題より沈黙
雑談の最中、みなさんは何を感じているのでしょう。
Q. 雑談中、いちばん強く感じることは?(n=300/単一回答)
最も多かったのは「沈黙がこわい」で37.0%。
「相手にどう思われているか気になる」25.3%が続き、
「話題が思いつかない」は18.7%でした。
上位に来たのは、沈黙と、相手の目。
話題の引き出しよりも、
その場の空気に、心を取られているんです。
焦っているときほど、言葉は出てきません。
四人に一人は、話しながら、相手にどう思われているかを気にしています。
ひと言ごとに、自分を外から見張っているような状態。
それでは声も小さくなりますし、
言葉も短く切れてしまいます。
「盛り上げなきゃと焦る」を選んだ方は、いませんでした。
盛り上げたいわけではない。
ただ、黙っている時間が落ち着かない。
そんな姿が浮かびます。
六割が「なるべく避けている」
では、その場をどう乗り切っているのか。
Q. 雑談を乗り切るために、普段していることは?(n=300/複数回答)
「できるだけ雑談の場を避ける」が60.3%で、ほかを大きく引き離しました。
「相づちやリアクションを大きめにする」28.0%、
「質問して相手に話してもらう」「無理にでも笑顔をつくる」がともに18.0%です。
「特に何もしていない」は7.0%でした。
何もしていない方は、1割に届きませんでした。
ほとんどの方が、毎日その場をやり過ごしています。
質問して相手に話してもらう、というのは、よく紹介されるコツです。
けれど、実際にしている方は二割に届きませんでした。
質問を考えること自体が、
もう一つの負担になることもあります。
避けるのは、怠けているからではありません。
沈黙がこわい。どう思われるかが気になる。
それが毎日続けば、離れたくなるのは自然なことです。
相づちを大きくする、笑顔をつくる。
その場はしのげても、家に帰るとどっと疲れが出る。
本当の気持ちより少し高い声、少し明るい顔で過ごすのは、
思っている以上に力を使います。
苦手意識は、性格だけでできているわけではありません。
何気なく言ったひと言を笑われた。
話の途中で、さえぎられた。
そんな言葉の記憶が、今も残っていることもあります。
話しやすいのは、聞いてくれる人
反対に、「この人とは話しやすい」と感じるのは、どんな相手なのか。
Q. 「この人とは話しやすい」と感じる相手の特徴は?(n=294/複数回答)
「話を最後まで聞いてくれる」64.6%。
「沈黙があっても気にしない」59.2%。
「無理に盛り上げようとしない」33.7%。
「声や話すテンポが落ち着いている」も22.8%ありました。
一方で「否定やアドバイスをしない」は4.1%、「自分の話ばかりしない」は12.2%にとどまりました。
話しやすさを決めているのは、相手が何を言うかより、
こちらの話をどう受け取ってくれるか、のほうでした。
さきほどの結果と、並べてみてください。
自分が雑談でこわいのは、沈黙。
でも、話しやすいと感じる相手は、沈黙を気にしない人。
同じ沈黙が、自分のときはこわく、相手のときは安心になっています。
不思議ですね。
声やテンポを挙げた方がいたことも、見過ごせません。
人は、話の中身だけを聞いているわけではないんです。
声の高さ、速さ、言葉と言葉のあいだ。
そうした音のほうも、ちゃんと受け取っています。
落ち着いた声で、ゆっくり返ってくる言葉には、それだけで安心があります。
雑談が上手でなくても、信頼される人はいます。
最後まで聞く。黙っている時間を、急いで埋めない。
沈黙を、自分の落ち度にしなくていいんです。
次に誰かと話すとき、相手の話を最後まで聞いてみてください。
言葉が途切れても、すぐに次の話題を探さない。
それだけで、その場の空気は少し変わります。
頭でわかっていても、緊張した場面では体が先に固くなるもの。
ヴォルテでは、ことばや動きのワークを通して、
声や間と向き合う時間をつくっています。
<調査概要>この記事は、全国の30〜60代の女性300名を対象としたインターネット調査をもとに、スタッフがまとめたものです。実際に寄せられたお声ではありません。設問によっては、ほとんど選ばれなかった選択肢もありました。
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