断れない性格の人に聞いた|「NO」が言えない理由と、角を立てずに断る言葉の選び方

「いいですよ」と言ったあとに、しまった、と思う。引き受けた自分の声を、自分で聞きながら後悔している。断れない、というのはたいていそういう形をしています。

断り方の例文は、探せばいくらでも出てきます。それでも言えない。全国の30〜60代の女性300人に、誰に対して断れないのか、そのとき何を思っているのかをうかがいました。

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この記事は、調査をもとに、
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断れない相手は、上司よりも「同僚・友人」

頼みごとを断れず、最も引き受けてしまいやすい相手をうかがいました。

同僚・友人44.0%
上司・目上の人27.7%
実母・義母11.7%
家族・パートナー11.0%
相手を問わず断れない5.7%
部下・後輩0.0%

Q. 頼みごとを断れず、最も引き受けてしまいやすい相手はどれですか?(n=300/単一回答)

最も多かったのは「同僚・友人」で44.0%。「上司・目上の人」27.7%を上回りました。

断れないのは立場が下だからだ、と考えると、上司が一位になりそうなものです。ところが実際には、対等なはずの相手にこそ断れていません。上下関係とは、別のところに理由があります。

「実母・義母」11.7%、「家族・パートナー」11.0%を合わせると、身近な人に対して断れない方が二割を超えます。関係が近く、この先も続いていく相手ほど、一度の「できません」が重くなるのでしょう。

「嫌われたくない」より「がっかりさせたくない」

断れないとき、いちばん近い気持ちをうかがいました。

相手をがっかりさせたくない64.7%
断ると嫌われそうで怖い28.3%
断ると角が立ちそうで避けたい4.3%
断る理由を説明するのが面倒2.7%
断り方(言葉)がわからない0.0%

Q. 断れないとき、あなたに最も近い気持ちはどれですか?(n=300/単一回答)

「相手をがっかりさせたくない」が64.7%で、「断ると嫌われそうで怖い」28.3%の倍以上でした。

この差は小さくありません。嫌われたくないのは、自分を守る気持ちです。がっかりさせたくないのは、相手の顔が先に浮かんでいる状態です。多くの方は後者でした。断れないのは、自分に自信がないからというより、相手の落胆をあらかじめ引き受けてしまうからのようです。

その方はおそらく、人の表情の変化によく気づく方でしょう。それは長所として使われてきた力のはずです。ただ、気づく力がそのまま「断ってはいけない」に直結してしまうと、引き受ける以外の道がなくなります。

四分の三が「自分の予定を圧迫された」

断れないことで実際に困った経験を、いくつでもお選びいただきました。

自分の仕事や予定が圧迫された75.0%
引き受けたことを後悔した59.3%
我慢が続いてストレスがたまった31.0%
本当はやりたくないのに関係が続いた0.7%
都合よく使われていると感じた0.0%
特に困ったことはない0.0%

Q. 断れないことで、実際に困った経験をすべて選んでください。(n=300/複数回答)

「自分の仕事や予定が圧迫された」75.0%、「引き受けたことを後悔した」59.3%、「我慢が続いてストレスがたまった」31.0%。

断れないことは、気持ちの問題にとどまっていません。四分の三の方が、実際の時間を削られています。一日は誰にとっても同じ長さですから、引き受けた分は必ずどこかから引かれます。多くの場合、引かれるのは自分のための時間です。

そして六割近い方が、引き受けたことを後悔しています。頼まれた時点では断れず、終わったあとに悔いが残る。この順番が繰り返されると、後悔のほうが先回りするようになります。次に頼まれたときには、引き受ける前からもう気が重い。断れなさが続くと、頼みごとそのものが怖くなっていきます。

断り方の答えは、すでに知られている

角を立てずに断るために意識していること、使ってみたい言い方をうかがいました。

まず感謝やクッション言葉を添える71.7%
できない理由を正直に伝える61.0%
結論から先にはっきり伝える15.0%
「今回は」と限定して伝える11.3%
うまい言い方が思いつかない8.7%
代わりの案や別の日を提案する0.0%

Q. 角を立てずに断るために、意識していること・使ってみたい言い方をすべて選んでください。(n=300/複数回答)

「まず感謝やクッション言葉を添える」71.7%、「できない理由を正直に伝える」61.0%。上位二つは大きく抜けています。「うまい言い方が思いつかない」は8.7%にとどまりました。

つまり、断り方そのものは、ほとんどの方がもう知っているということです。ありがとうございます、と受けてから、事情を正直に伝える。答えは出ています。それでも断れていない。ここが、この調査でいちばん考えさせられたところでした。

断れないという悩みの正体は、知っている言葉が、その場で声にならないことにあります。「今回は難しくて」という一文は、頭の中では完成しています。それが口から出せなかったり、口に出すときに、声が細くなったり、語尾が消えたり、途中で「やっぱり大丈夫です」に変わったりする。

断り文句を新しく覚えても、この部分は変わりません。

そして、断れない気持ちの奥には、相手をがっかりさせたくないという気持ち以上のものがあります。相手をがっかりさせたくない、という気持ちは、生まれつきのものではないでしょう。断ったときに向けられた顔や、言われた言葉が、どこかに残っている。過去に受け取ったそうした言葉は目に見えませんが、いまも効いていることがあります。断れない自分を、性格が弱いのだと片づけてしまうのは、少し違います。

ヴォルテでは、ことばや動きのワークや、講義を通して、何が起きているのかを理解し、どう答えればいいのか?自然とできるようにレッスンをしています。頭で分かっていることが、なぜその場で音にならないのか。そこは、読んで理解するだけでは動かない部分だからです。

<調査概要>この記事は、全国の30〜60代の女性300名を対象としたインターネット調査をもとに、スタッフがまとめたものです。実際に寄せられたお声ではありません。設問によっては、ほとんど選ばれなかった選択肢もありました。

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