WORTEのレッスン その2 興味・関心と関わる母音「い」
前回はお話の第一印象が感想になってしまっている人、
拒否反応になっている人のことを紹介いたしました。
お話だとわかっていても、グリム童話、昔話など、お話の世界で起きる出来事や
登場人物を受け入れることができない。それはあまり珍しいことではありません。
あの人、そんなことするなんて、おかしい。
もっと働けばいいのに。
えー、そんなこと、起こるはずがない。
そんな風についつい思ってしまいますよね。
でもみなさんもご存知のように、お話の世界だけではなく、
世の中にはいろんな人がいます。
おまけに「事実は小説よりも奇なり」で、信じられないことは割と頻繁に目にします。
そんなわけで、お話を稽古していくうちに、
そしてWORTEで時を過ごしているうちに、「ありえない」ことはだんだん減っていきます。
なんでもありなのかなあ、と。
ふだんの生活でも、新しい人との出会い、新しい商品やサービスを
面白いなあと思うときってありますね。
そんな時の私たちは、言葉の世界で言うと、母音の「い」の状態です。
母音の「い」
それ、いい!いいね!
そう心が言って、関心をもって外へ出て行くのです。
母音の「い」はとても大切な母音です。
言語造形の双子の芸術と言える「オイリュトミー」では、
母音の「い」は関節を伸ばす動きです。
あ、それ面白い。関心を持つとき、背筋が伸びます。
興味を持つ、そして背筋を伸ばす、関節を伸ばす。
それいいね、と外へ向かう。
思春期の子どもにとって、体は重い
ふだん、子供を見ていて面白いことがいくつもあります。
家に帰ってきて、リラックスしてダラダラしていても、
「さあ、これやろう!」と本人が思うと、背筋が伸びています。
話をしていて、こちらの言うことを「面白い」と思ってくれる時、
自然と背筋が伸びています。
思春期の子供は、体が成長し、心よりも早く体のほうが大きくなっているので、
姿勢が悪くなりがちです。体の中身の方は、まだ子供なのに、それよりも
中身よりも体のほうが大きいのです。
ですから思春期の子供にとって、体は重い。姿勢も悪くなりがちです。
けれども普段の生活で、面白いこと、関心を持つことがあれば、
重力に負けず、すっと背筋が伸び、そして目にも輝きがあります。
母音の「い」と子音の「L」
シュタイナーは面白いことを言語造形家のための講演の中で言っています。
すべての子音には、関連する母音がある。
たとえばRは「あ」、とそしてLは「い」
それを見つけるといいですよ、と。
子音の「L」は、シュタイナーのいう「肉体、エーテル体、アストラル体、自我」の区分で、
エーテル体と関連しています。
エーテル体は肉体に命を与える、命の体とされています。
ですから「い」の母音の活動が弱くなっていくとき、命が弱まっていく方向になってしまいます。
何かを面白い! へえ、いいね。
ふうん、面白そう!
そういう気持ちは、自分が何かを創り出そうとするのなら、
とても大切です。
ポジティブな第一印象を講座で発表するようになると
その人のお話も、やはり格段に上手になっています。
母音の「い」の言語造形練習文
母音のための言語造形練習文もありますが、
ここでは簡単なものを紹介します。
背筋を伸ばしてまっすぐ立つ動きをしながら、手は外から自分へ向けて大きく動かします。
「しー」と発音しながら、胸に手を当てて「しー」の音を入れるとき、「い」の力も働きます。
「い」だけを発音するのは、難しいので「しー(shii)」を発音しながら、
「しー」を体内に入れていく動きです。
母音の発音はその人の人生観、などが現れるので難しいんですね。
「い」ですと、神経の流れと関係があるので、金属音のような声の方もいますし、
力が入れられず、「い」で関節が伸びない人もいます。
どなたにでもすぐにできるこの練習文では、
前に子音をつけて「しー(shii)」を発音します。
この言語造形練習文をすると、静かな力がみなぎってきます。
気持ちを落ち着きますし、自分に戻れますし、簡単なので、
初心者の方の体験講座でもよく行っています。
次回はまたお話のレッスンを紹介します
言語造形人間学について
言語造形人間学は小野恵美のオリジナルの造語です。
シュ タイナー夫妻の始めたこと ばの芸術、言語造形を20年間実践し、ことばの音(子音、母音)と身体や動き、意識との関係、人間の成長との関係などを研究してきました。お話を教えるこ と、オリジナルの言語造形練習文を個人レッスンで各自に適応することで、その確実さを確認してきました。言語造形人間学は、シュタイナーの言語造形の精神 が結実したものです。ヴォルテのレッスンは、言語造形人間学に基づいて行われます。またヴォルテの上級クラスでは、集中講義としてその理論の講義を受ける ことができます。
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