「どう思う?」と聞かれた瞬間、頭が真っ白になる。言いたいことはあったはずなのに、口から出てきたのは「うーん、いいと思います、たぶん」だった。
自分に自信がない。そう感じている方に、それがどんな場面で出るのか、そのとき声や話し方に何が起きているのかをうかがいました。全国の30〜60代の女性300人の回答です。そして、いちばん意外だったのは最後の設問でした。
この記事について
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ことばや人との関わりに悩みながら、
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この記事は、調査をもとに、
スタッフがまとめたものです。
実際に寄せられたお声ではありません。
わたし自身の言葉は、これまでどおりメルマガでお届けしています。
自信のなさは「話すとき」より「求められたとき」に出る
自分に自信がないと最も強く感じる場面をうかがいました。
Q. 自分に自信がないと最も強く感じるのは、どんな場面ですか。(n=298/単一回答)
最も多かったのは「意見や感想を求められたとき」で55.9%。「人前で話すとき」21.9%を大きく上回りました。
この違いは、小さくないと思います。人前で話す場面は、あらかじめ分かっていることが多い。準備もできますし、心の用意もできます。けれど「どう思う?」は、いつ来るか分かりません。会議の途中でも、立ち話でも、突然こちらに向いてくる。その不意打ちに、自信のなさがいちばん出るということです。
そのとき、声はこう変わっている
自信がないとき、声や話し方にどんな変化が出るかをうかがいました(複数回答)。
Q. 自信がないとき、声や話し方にどんな変化が出ますか。(n=294/複数回答)
1位は「語尾があいまいになる」65.9%。3人に2人です。「〜かも」「〜と思います」。この二つを付けておけば、もし違っていても大きな間違いにはならない。そういう逃げ道になっています。
ここで気づいていただきたいのは、これが「心の持ちよう」ではなく、はっきりと声に現れているという点です。語尾が消える。声が小さくなる。息が浅くなって早口になる。自信のなさは、内面の問題であると同時に、からだと声に起きている出来事でもあります。
そして、それは相手にも伝わります。あいまいな語尾で話せば、聞いた側は「この人はあまり確信がないのだな」と受け取る。すると反応も薄くなり、こちらはますます自信を失う。この往復が、いつのまにか固まってしまうことがあります。
「どうせ私なんて」は、褒められたときに出る
今回いちばん意外だったのが、この設問です。「どうせ私なんて」と思ってしまうのはどんなときか、うかがいました(複数回答)。
Q.「どうせ私なんて」と思ってしまうのは、どんなときですか。(n=298/複数回答)
「褒められたとき(素直に受け取れない)」が81.9%。8割を超えました。一方で「仕事で評価されなかったとき」は7.7%にとどまっています。
否定されたときではなく、褒められたときに出る。これは、考えてみると筋が通っています。褒め言葉を受け取ってしまうと、自分の中に長くある「自分はたいしたことがない」という前提と食い違ってしまう。だから、受け取らずに打ち消す。「いえいえ、そんなことないです」と言いながら、内側では前提のほうを守っている。
つまり「どうせ私なんて」は、落ち込んでいるときの言葉というより、自分についての古い決めごとを守るための言葉なのかもしれません。
2位の「特にきっかけなく、ふと思う」41.6%も、同じことを示していると思います。何かが起きたから思うのではない。洗い物をしているとき、信号を待っているとき、ふいに浮かぶ。きっかけが要らないということは、それがもう出来事への反応ではなく、常時そこにある前提になっているということです。
その決めごとは、どこから来たのか
自信が持てない原因として思い当たるものをうかがったところ、「過去に否定された経験」57.2%、「親の育て方や家庭環境」19.7%。合わせて76.9%の方が、過去に受け取った言葉や環境を挙げました。「生まれ持った性格だと思う」は11.0%です。
生まれつきの性格ではなく、どこかで受け取った言葉。その言葉が、いまも自分についての決めごととして働いている。そう考えると、「自信を持ちましょう」と気合いを入れる話ではなくなります。
言った側は、たいてい覚えていません。何気ない一言だったのかもしれませんし、その人自身も余裕がなかっただけかもしれない。それでも、受け取った側には残ります。そして残っていることにさえ、しばらく気づかない。自分の性格だと思って、長く付き合ってしまう。
声のほうから、ほどいていく
ここからは、調査結果に対するWORTEからの見方です。
考え方を変えようとしても、なかなか変わりません。頭では「褒められたら素直に受け取ればいい」と分かっている。分かっていても、口は勝手に「いえいえ」と動く。
そこでWORTEでは、声のほうから扱います。語尾を最後まで言い切ってみる。自分の声を自分の耳で聞いてみる。たったそれだけのことが、思いのほか難しく、そして思いのほか響きます。ことばは本来、声に出されるものでした。頭の中だけで整えた言葉は、体を通っていません。
自信がないから声が小さいのだ、と考えると、先に自信をつけなければならないことになります。けれど今回の結果を見ると、声と自信は、どちらが先とも言えない形で結びついています。であれば、扱いやすいほうから触ってみる。そういう順序があってもいいのだと思います。
今日の会議で堂々と発言しましょう、という話ではありません。まずは家で、誰にも聞かれないところで、短い一文を声に出して、最後まで言い切ってみる。「〜と思います」を付けずに終わらせてみる。そのときの自分の声が、どんな響きをしているか。そこからで、十分だと思います。
ことばを、知識としてではなく、声と体を通して扱ってみたい方へ。WORTEでは、ことばと動き、声のワークを中心にした講座をご用意しています。