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 豆本 恵矢with S

『DANCE AGAIN』『ひとしずく』より

はじめまして
恵矢 with S です。
このたびは作品(豆本)をご購入いただき、ありがとうございました!


 

 

私はどんな味がするだろう
神さまが私をかじったら



『ひとしずく』2010より 恵矢




種子(たね)

わたくしたちは

 しずかにくるってゆく

そっと握りしめて

 希望に変える

 

『DANCE AGAIN』2016より 恵矢


 

ときどき世界は
なんの前触れもなく美しい
時が行き来する
ふしぎな足音をさせて

 

『ひとしずく』2010より 恵矢

 

 


生まれる

 

壊されて

ようやくひらく

わずかな隙間

そこから射し込む

光よりもすばらしいもの

私の予想だにしなかったもの

盲になっても見たかったもの

ああこれか。


『スーパームーン』2011 より 恵矢


『ひとしずく』2010より 豆本掲載以外の作品をご紹介いたします。

★★★★★★★★★★★★

人に生まれても
人になれなくて泣く
遠すぎる
重力が光になる場所

★★★★★★★★★★★★

どうにもならないことの
先を見据えて微笑むひと
地球が持ち上がる、
わずかだけれど

★★★★★★★★★★★★

 

私たちの小舟の下に
クジラのいた数秒間

私の知らない言葉
新しい時代が始まる

 

 

★★★★★★★★★★★★

 


『DANCE AGAIN』2016より 豆本掲載以外の作品をご紹介いたします。

夜の粒子

とうに

壊れている

文が

完結できない

文にすると嘘

になる


にんげんよりも

言葉が好き

だとは誰も言わなかった


小雨ふり

家に向かう道道

泣けてきそうな気持ちのなか

生きていることがひらひらと

空から降ってきました


わたしはいつ

わたしであることを

やめられるのか

ここまで考えると

夜の粒子に触れるのです