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見るかのように、聞く

AIについて考える連載、今日は7回目です。

情報が叡智になると言葉に温度が出てくる。

そんな話でしたね。

今日は、

私にはどんなふうに言葉が聞こえるのか、

その一端をお伝えしますね。

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◆言葉から、時間が聞こえる

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誰かが話すのを聞くのが

私の仕事、

ことばの音を聞くプロです。

言葉のなかには、

その人が実際にどう生きたかが、

いつの間にか入ってきます。

あなたも、たとえば

おじいちゃんやおばあちゃんから

話を聞いたりしたときに、

誰かが、

60年、80年前のことを

語ってくれたときに、

そこにある時間を

感じたこと、ありませんか?

そして、

時間のふるいにかかったものを聞いて、

その賢さに驚き、

また心が温められたことはないでしょうか?

魂はそのとき、

きっとこう感じていたと思います。

「これは、智慧だ。叡智だ」と。

そのようなもののために、

私たちは生きているんですね。


 ゲーテはそのことを

『ファウスト』のラスト、

ファウストが天に召された場面で

こんな風に伝えています。

「けれどこのお方は

 修行を積まれたのです」

という、子どもの時に亡くなった魂たちの

セリフがあります。

「ぼくたちは、幼い時分に

地上の住居から別れてしまった。

でも、このお方は修行を積まれたのです」

と、いうのです。

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◆冷たい言葉に、炎を!

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叡智は知識とは違うんですね。

ただ知っているだけ。

それが知識です。

生きていない。

体験されていない。

だから、冷たい感じがします。

ああ、あの人は信用ならないな、とか。

聞いていると、

新聞紙を詰め込まれているような感じになったり、

嘘だなとわかったり、

口だけなのかな、この人、

と、わかります。

冷たいというか、温度がないです。

この感覚は、わかりますか?


言葉を聞くと

いろんなものがあるんですね。

たとえば

そこには温度があります。

ここを進んでいくと、

さらにさまざまなことがわかっていきますが、

それは、長い長い訓練ののちのこと。

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◆叡智のことばは、美しい

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美しいかどうかは、

たしかに、感じるしかないものです。

でも、

美というものは、確実にあります。

自分が耳にした言葉に、

「賢さ」や「美しさ」を感じられるか?

それとも単に

「頭いいね」

で終わるものなのか?

この賢さは

温かいか?冷たいか?

そんな区別を

日ごろから気を配って、

見てください。

「この人、すごいな」

そう思ったときに、温度、美しさ、

そこに入っている時間の長さを

見るようにする。

あ、ここで注意です。

こういうことをお伝えすると、

人に厳しくなっちゃう人がいます。

自分のことは

たいてい、棚にあげてしまってます。

あの人の言葉は

ただの情報。

冷たい。

醜い。

辛いです。

と私に言ってくる方もいます。

ちょっと待ってください!

そんな風にしていると

自分のほうが、醜いです。

マイナスなものではなく、

美しいもの、素晴らしい言葉、温かな言葉を、

集めるようにして、

丁寧に見てください。

そのとき、

この作業を加えてみてください。

・ただの情報じゃない、と気づく。

・知識をどうしたんだろう?

・なぜ、叡智にできたんだろう?

・そのぬくもり、熱を味わってください。

(その人の魂の熱と関係があります。)

・美しさを、味わってください。

 ・この言葉は、どのくらいの年月をかけて、

生まれた言葉なのか?

聞く力が、どんどんついてくると思います。


このようにして

聞こえてくる言葉の風景を

魂を静かにして、

見るようにして、聴いていく。

それが言語造形の始まり

でもあります。


こんな風にして

情報、知識、

さらには叡智の区別をつけることが

AIの時代は大事になってきます。

「見るように、聞きなさい。

 だから、目をつぶってはいけません」

これが、

ドルナッハでシュタイナーの孫弟子、弟子だった先生から

教わった奥義の一つです。

これを実際にしていったときの

広がる世界の深さは、

言葉では、お伝えできません。

ときどき、講座で、隣にたって、

目くばせすることができるだけです。

AIの時代、

聞く力をつけていくことです。


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